「師走」の慌ただしさは、もう目の前。
一年なんてあっという間、そう感じる時期となりました。
11月ともなると、毎晩、温かいものが恋しいですよね。
こんにちは、調味料マイスターの神林春美です。
先月、紅葉にはまだ少し早い日にちでしたが、秋空に恵まれた日、福島県喜多方市へ日帰りで行ってきました。
「行ってみたい蔵の街」というランキングで、常に上位に上がるという、喜多方市。
言わずと知れた、ラーメンの街でもあります。
地元の方に聞けば、市内にはラーメン屋さんだけでも120軒はあるとか。
「朝ラー」なる言葉もあり、地元では、朝からラーメンを食べることも日常なのだと言います。
そんなラーメンの街にあって、そのラーメン作りを支える存在が、蔵の街・喜多方の文化遺産でもある、味噌蔵・醤油蔵です。
喜多方駅前からレンタルサイクルで、街を進めば、いくつもの重厚な様子の蔵に出会うことができましたが、その中でも、「モダン」という言葉も似合う雰囲気の良い喫茶が併設された蔵を見つけたので、今回はそちらをご紹介します。

「金澤屋金忠」。
「カネチュウ」とお読みするそうですが、こちらのお店は、江戸の天保年間からつづく味噌・醤油の醸造屋さん。
帰宅後、店主さんのブログを拝見したところ、「金忠」さんでは、「地産地消」「フードマイレージ」による、味噌作り・醤油作りを信条としているそう。
「豆をはじめとする原材料は、できるだけ地場産を...」。
ちょうどこの秋の頃は、農作物の収穫時期にあたり、蔵も忙しい時期のようです。

「金忠」さんの商品は、秋に収穫した原材料を初冬に仕込む寒仕込み製法。
ブログには、「醸造とは人格である」という言葉が紹介されていましたが、雪深い地方の方の辛抱強さや春を待ちわびる穏やかな気持ちが、こちらのお醤油・お味噌には現れているのかもしれない...、とふと思ったり。

そして、先に、「モダンな喫茶」と紹介しましたが、こちらの店舗の隣にあるのが、「田楽喫茶・豆○(マメマル)」さん。
「みそソフトクリーム」と書かれた看板に惹かれ、乗っていた自転車を、ついついひょいと降りてしまったのですが、こちらでは、素朴な、でもどこか新しい味噌料理に出会うことができました。
写真でご紹介しますと、こちらが味噌田楽の盛り合わせ。
蒟蒻や厚揚げ、お餅、身欠き鰊(にしん)に甘い味噌だれを塗った田楽で、なんてことのない素朴な一皿かもしれませんが、心のこもったおもてなしをいただいたような気持ちになる一皿でした。

こちらの写真は、味噌パウンドケーキと豆乳のお茶菓子セット。
ケーキは、少し焦げた風味のお味噌がカリカリの生地になり、中にはたくさんの胡桃も。本当に素朴な甘さで美味しかったです。

ちなみに、こちらをいただいたのは、喫茶の二階のお座敷。
江戸時代当時のままのお座敷だそうです。
格子戸を引くと、古い街並みが目に入り、風情のある一室でした。
―― 蔵の街・喜多方。
そう言えば、いくつかの一般のお宅の軒先にも、茶色くなった枝豆(大豆)が、ゴザの上で乾燥している風景に出会いました。
今でも、各家庭で味噌を作る風習が、この地域では残っているのかもしれません。
蔵のある街には、そこには必ず美味しい醸造文化があり、そんなことに出会う街歩きは、良い発見を運んできてくれますね。













